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諸手船神事 (もろたぶねしんじ)

 

美保神社の青柴垣 (あおふしがき) 神事とともに『古事記』などが記す事代主命 (ことしろぬしのみこと) の国譲り神話に関係した神事。古くは八百穂 (やおほ) の祭りとして、陰暦 11 月中の午 (うま) の日に行っていたという。

12 月 2 日の宵祭りには、ゴスギ (甘酒) なども献じられ、司の舞、巫女舞が奉納される。3 日の当日は、午前中、新嘗祭 (にいなめさい) があり、午後、諸手船の神事に移る。関係者は客人社に参拝し、9 人ずつ、二手に分かれて諸手船に乗り、美保関港へこぎだす。2 隻は互いに水をかけあいながら港内を巡る。その後、ヘサキにたててあるマカツという飾りをもって、本殿まで競争。どちらが先に神前に捧げるかによって優劣を競うわけである。これを迎える宮司と問答を行い、この際に交互に打ち合う合拍子が「天逆手 (あめのむかいで)」とされ、手締めルーツ、これを以って神事を終わる。

なお、諸手船は 2 本の材木をくり抜いてつぎ合わせた古代の丸木舟 (まるきぶね) を思わせる船で、古代の造船技法を伝える貴重な資料。重要有形民俗文化財の指定を受けている。

「島根観光辞典 (島根県観光連盟発刊) より引用」
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